Saturday, 2 November 2013

知的生活の土台としての哲学

芸術や職人芸から政治まで、人間の精神生活を一通り網羅した哲学書を書くとしたら――哲学書とはそもそもこうあるべきものである上に、実際もそういうものだったのだけど――どのような構成になって、どのような題名になるだろうか。

『知的生活』(Intellectual Life)という題名はどうだろうか。本当は、『知的生活の土台としての哲学』の方が正確なのだけれど、そもそも「知的生活」という考えがあまり国民の日常に浸透していないように思える。まだあまりよくわからない「知的生活」という言葉があるだけで、十分変な本となるはずなので、そこにさらに「土台」だの「哲学」だの見慣れない言葉を加えられては、読むほうとしては遠慮がちになってしまうかもしれない。それは避けたい。

本の構成としては、幾つかの部や章に体系的にわけていく。言葉遣いは易しくするし、実際の議論には豊富な例も織り交ぜて読みやすく考えを表現する。他方で、論理はしっかりおさえる。哲学的な議論も躊躇なく行う。耳当たりの良い言葉で済ませず、ある考えを表現するために必要な言葉をしっかり使う。「それっぽい」ことを書くのではなくて、ある程度重みや実感の伴うことを書く。

『知的生活』

第一部 論理

第一章 基礎的な概念について
第二章 ものごとを縛る概念について
第三章 ものごとを自由にする概念について


第二部 自然

第一章 数学と物理学
第二章 化学などの質的な自然科学
第三章 有機体と生物学


第三部 人間

第一章 芸術と職人芸
第二章 宗教
第三章 政治と経済


いずれにしても、こういう内容の本を読んで批判してくれるような人は少数派なんだろうと思えてならない。